混合供託実施の必要あり 建替円滑化法に基づく補償金

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マンション建替事業の施行者(被上告人)がマンションの建替え等の円滑化に関する法律76条3項に基づく補償金の供託義務を負う場合において、区分所有者だったBが保有する補償金の支払請求権に対する抵当権者(信用保証会社)と根抵当権者(地域金融機関、3権者が上告人)との間で差押えの競合が生じたときの対応をめぐる取立金請求事件。

最高裁第一小法廷は、施行者は同項および民事執行法156条2項を根拠法条とする混合供託をしなければならないとの判断を示し、被上告人は本件供託をもって上告人に対抗できるとした原判決を破棄、本件補償金に相当する金員およびこれに対する遅延損害金を供託の方法により支払うことを求める上告人の請求を棄却した第1審判決を取り消した。その上で、被上告人は上告人に対し同金員およびこれに対する遅延損害金を支払い、支払いは供託の方法によりしなければならないと命じた。

補償金は、区分所有者であるBが、建替事業で区分所有権を失い、再建後の権利も与えられないとされたBが、円滑化法75条1号に基づき被上告人に対し支払請求権を行使して取得。最高裁は混合供託をすることで抵当権者や差押債権者等の保護に欠けることもないとした。

■参考:最高裁判所|マンション建替事業の施行者が補償金の供託義務を負う場合、補償金の支払請求権に対する差押えの競合が生じたとき混合供託をしなければならない(令和4年10月6日・第一小法廷)

https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=91450