金融庁の金融審議会に設置されたディスクロージャーワーキング・グループ(座長:神田秀樹学習院大学大学院法務研究科教授)が4月18日に開催され、第1及び第3四半期の開示義務を廃止し、四半期決算短信に一本化することでおおむね了承した。
5月にも取りまとめに向けた検討を行う。今後、四半期決算短信に一本化する上では、四半期開示の内容、虚偽記載に対する罰則、監査法人のレビューの有無などが検討課題となる。これらの事項について引き続き夏以降も検討を行うとしているが、虚偽記載に対する罰則に関しては、四半期決算短信と同じ内容を臨時報告書で開示する仕組みとすることで、四半期報告書と同様の虚偽記載の責任を課すことが提案されており、この点に大きな異論はなかった。
四半期開示の内容については、企業側のメンバーからは現行の決算短信の内容を維持すべきとの意見のほか、第2四半期も一本化すべきとの意見があった。有価証券報告書を提出する非上場企業に準じて半期報告書と中間監査が求められた場合には、逆に現在よりも企業の負担が大きくなるとしている。一方、財務諸表利用者側のメンバーからは、レビューがなければ臨時報告書で開示しても意味がないとの意見などがでている。
■参考:金融庁|金融審議会「ディスクロージャーワーキング・グループ」報告の公表について|
https://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/tosin/20160418-1.html