新規開業したものの、開業後、「顧客・販路の開拓」「資金繰り、資金調達」「従業員の確保」などに苦労し、「こんなはずでは」と思い悩む事業主も結構多い。日本政策金融公庫総合研究所は(1)開業時に顧客を「確保していた企業」と「確保していなかった企業」(2)開業後に顧客を「獲得できている企業」と「獲得できていない企業」―に分類、それぞれ調査し、その特徴や取り組みの違いなどを分析した。その結果、開業時に顧客を確保していた企業と開業後に獲得できている企業には、提供する商品・サービスの価値が高いという共通点があり、顧客確保・獲得上、重要なことがわかった。顧客を確保・獲得している企業は、商品・サービスの特徴として「付加価値が高い」を挙げる割合が5割を超えた。
加えて、開業時の顧客確保には、それまでのビジネスで培ってきた経験や人脈も重要な要素であることも確認された。開業時に顧客を十分に確保していた企業は、確保していなかった企業と比べて、斯業経験(現在の事業に関連する仕事をした経験)がある場合や、開業時の人的ネットワーク(人脈)についての自信が「大いにあった」という割合が高かった。開業後の顧客獲得には、事業内容の新規性も重要な要因となっていることも裏付けられた。
参考:日本政策金融公庫 |「2014年度新規開業実態調査(特別調査)」からみる顧客の確保・獲得のポイント
http://www.jfc.go.jp/n/release/pdf/topics_150203a.pdf