昨年度、厚生労働省は新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ、中小事業主や個人事業主が行う労働保険の年度更新(申告・納付)について、通常6月1日から7月10日までの申告・納付期間を6月1日から8月31日までの3ヵ月間に延長した。
コロナウイルス感染症拡大は収束せず、今年も令和2年分の確定申告の申告・納付期限が延長、緊急事態宣言の発出・宣言の延長などが続いた。年度更新について延長もあり得るという見通しがあったものの、結果的には従来通りの申告期限(今年度については6月1日から7月12日まで)となった。すでに多くの企業に緑色の封筒に入った申告書が届いている頃だと思われるが、コロナウイルス感染症による影響が見通せない中、早めの対応が望ましいと言えるだろう。
厚生労働省では、労働保険料の算定に便利な申告書計算支援ツールを公開している。エクセルベースで集計が可能となっており、集計表に入力すれば実際の申告書にどのように記載すればよいかわかるシートがついているほか、e-Govでの申告をする場合のイメージまで付加されている。企業活動においてどのような影響が出るかわからない不透明な状況の中、できることは早めに対応しておくに越したことはないだろう。
■参考:厚生労働省|労働保険の年度更新期間について|