会社等の組織で最も出世する人とは、一番仕事が出来る人であろうか。むしろ、2番、3 番以降の人ではなかろうか。
例えば、ある課に1 0 人の平社員がいたとする。成績が1 番の人は知識・体力ともに優秀で、上司を頼りにしないで仕事が出来、時には上司より良い成績を上げることもある。2 番、3 番・・・の人は、上司の指導を受けて、忙しい時には上司の雑用を手伝う事もある。あまり目立たない人達である。時々ミスをして、上司が尻拭いをしたり、相談に乗ったりする。社内のイベントの時は幹事に指名され、裏方ながら面白い出し物で皆を楽しませる。上司から、「せめて、仕事がこのように旨く出来れば」等とほめられたり、笑われたりする。組織は、上司も平社員も互いに競争相手である。優秀な後輩に上司は警戒する。平社員同士も同様だ。人は警戒心を抱かない人には目を掛けたり、親しみを抱いて私的な交流をしたりする。組織内で出世しようと思えば、一番を隠して努力する事が大切かもしれない。特に、自信のない課長から目を掛けられて信頼される為には、自己の能力を目立たせるような態度は禁物だ。実力が1 番であっても出世するとは限らず、むしろ社内の評価が2 番、3 番・・・の人達の方が勝ち残るのではなかろうか。