金融庁は「検査マニュアル廃止後の融資に関する検査・監督の考え方と進め方」を策定・公表。
引き当て・償却について現状の実務を否定するものではなく、現在の債務者区分を出発点に、現行の会計基準に沿って金融機関が自らの融資方針や債務者の実態等を踏まえ、認識している信用リスクをより的確に引き当てに反映するための見積もりの道筋を示したと説明した。策定にあたっては9月から1カ月間、原案を公表し、パブリックコメントを募集。20の個人・団体から99件の意見が寄せられ、必要な追記・修正を行ったとしている。
同庁は、金融機関の経営理念、経営戦略・方針、内部管理態勢、融資方針やリスク管理等と切り離して、特定の引き当ての見積もり方針の是非を問う意見があったとした上で、どのような見積もり方法が信用リスクをより的確に引き当てに反映できるかは金融機関ごとに異なると考えられるとの見解を示した。また、金融機関が自らの融資方針や債務者の実態等を踏まえ、信用リスクをより的確に引き当てに反映する方法を検討するにあたっては、さまざまな悩みや課題が生じると思われるとし、そのような悩みや課題について関係者で議論できるよう、同庁に相談受付窓口を設置したことも明らかにした。
■参考:金融庁|「検査マニュアル廃止後の融資に関する検査・監督の考え方と進め方」(案)に対するパブリックコメントの結果等について|
https://www.fsa.go.jp/news/r1/yuushidp/20191218.html