経済同友会は「デジタル化時代に向けた地域経営改革」と題する報告書を公表。デジタル・ガバメント実現への方向性・考え方を提示した上で、地方行政のデジタル化を阻む課題の解決に向けて国が進めるべき取り組みと、地域経営の品質向上に向けた地方自治体によるデジタル技術の活用策を提言した。
報告書は「現状に鑑みれば、あるべき地方自治の姿が実現されているとはいいがたい。制度改正だけでは不十分。『地域経営を改革する』という視点が不可欠」と強調。「事務効率の飛躍的向上、サービスの受け手である事業者や住民の利便性を高める付加価値の創出を実現するため、デジタル技術の活用は有効な手段の一つ」と位置付けた。その上で「デジタル化の促進」「企業の経営資源の地方への配分」「地域に根差した事業活動」を提言。
経営資源の配分では▽企業が保有する遊休資産の公共施設としての利用促進▽地域ベンチャー企業への投資または協働など、地域に根差した事業活動では▽PFI(民間資金等活用事業)ほか官民連携への参加、行政サービスの民営化の積極的な受け入れ▽CSR(企業の社会的責任)活動を通じた地域課題の解決、社員に対する地域活動の推奨とそのための就業規則改定などを挙げた。
■参考:経済同友会|デジタル化時代に向けた地域経営改革|
https://www.doyukai.or.jp/policyproposals/articles/2019/190710a.html