特許庁は「経営における知的財産戦略事例集」を刊行した。同事例集は、経営と知財を巧みに連携させて両者の距離を縮める取り組みを実施している企業の事例を56(うち海外企業28、43事例は社名入り)紹介するとともに、7人の経営層からの経営と知財についてのメッセージを掲載。
1事例1ページにまとめ、概要図も盛り込み各事例を短時間で読むことができる。また、事例を探しやすいように「目的」別の索引のほか、「企業規模」や「業種」、「国・地域」別の索引も設けた。
例えばフィリップスの場合。知財部門は「他社でつくれないものを自社でつくる」ことに力点を置き、▽知財部門が、知財も含めてコストを算定し、研究の投資判断を実行▽R&Dを自社のコアコンビタンスに特化するよう方向付け―する。「目的」別検索では、国内外の約100人を対象に行ったインタビューを通じて集約した「新事業創造に資する」知財戦略の事例として、「顧客価値の発掘」で富士通、オムロン、シーメンス、「ビジネスモデルと融合した知財・ソリューションの構築」でオプティム、日立製作所、「デザイン思考と知財戦略の融合」でSAP、Mieleを挙げている。特許庁ウェブサイトからダウンロードできる。冊子版(無料)もある。
■参考:特許庁|経営における知的財産戦略事例集を刊行しました|
https://www.meti.go.jp/press/2019/06/20190624002/20190624002.html