上告人らが、被上告人に対して損害賠償を命じた米カリフォルニア州の裁判所の判決について、民事執行法24条に基づいて提起した執行判決を求める訴えで最高裁第二小法廷は、上告人らの請求を棄却した原判決を破棄し、大阪高裁に差し戻した。
上告人らは25年3月、加州オレンジ郡上位裁判所に対し、被上告人ほか数名を被告として損害賠償を求める訴えを提起。裁判所は27年3月、被上告人に対し約27万5,500ドルの支払いを命ずる加州民事訴訟法上の欠席判決を言い渡した。上告人らの代理人弁護士は同月、被上告人に判決登録通知を誤った住所に発送。被上告人は期間内に控訴せず、その他の不服申し立ても所定期間内にせず、判決は確定した。
最高裁は、外国判決に係る訴訟手続きにおいて内容の了知が可能だったのに実際には了知されず、または了知する機会も実質的に与えられなかったことで不服申し立ての機会が与えられないまま判決が確定した場合、その訴訟手続きは日本の法秩序の基本原則ないし基本理念と相入れず、民訴法118条3号にいう公の秩序に反するといえると説示。被上告人が不服申し立ての機会を与えられていたか否かについて検討することなく、公の秩序に反するとした原審の判断には違法があるとした。
■参考:最高裁判所|執行判決請求事件(平成31年1月18日・第二小法廷・破棄差戻)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=88253