東京国税局は、関与税理士から損害賠償金を受け取った場合の課税関係についての事前照会に対して文書回答した。
照会者は不動産賃貸業者で、事業に係る消費税・地方消費税について当初、簡易課税制度を選択、申告・納税していた。24年にオフィスビルを取得したが、関与税理士から取得日の属する課税期間の初日の前日までに同制度選択不適用届出書を提出すれば、取得に係る消費税等相当額のうち一定の金額の還付を受けられる旨の説明がなかったので届出書を提出せず、還付を受けられなかった。その損害に対し賠償金額を税理士から受領した。この場合、本件金額は所得税法上、非課税所得には該当せず、本件金額の受領が確定した日の属する年分の不動産所得に係る総収入金額に含めるべきものと解してよいかというもの。
国税局は本件金額について、所得税法施行令第30条第2号に規定する「不法行為その他突発的な事故により資産に加えられた損害につき支払を受ける損害賠償金」に該当すると考えられるとした上で、当該必要経費に算入されている金額をその範囲内で補てんするものであり、所得税法上、非課税とされる損害賠償金から除かれると考えられ、照会者の不動産所得の金額の計算上、総収入金額に算入することとなると回答した。
■参考:国税庁|関与税理士から損害賠償金を受け取った場合の課税関係について|
http://www.nta.go.jp/about/organization/tokyo/bunshokaito/shotoku/181207/index.htm