経営者との見解の不一致 監査人は株主総会で説明を

LINEで送る
[`yahoo` not found]

金融庁に設置された「会計監査についての情報提供の充実に関する懇談会」(座長:八田進二青山学院大学名誉教授)は12月20日、「会計監査に関する情報提供の充実について(案)」と題する報告書を了承した。

報告書では、限定付適正意見や意見不表明など、通常と異なる監査意見が表明された場合は、監査人の判断の背景や根拠となった事情が財務諸表利用者の意思決定により重大な影響を与え得るため、監査人からの説明・情報提供が重要になると指摘。その上で限定付適正意見の場合の監査報告書の記載に関しては、監査報告書の「意見の根拠」区分を記載するに際し、除外事項の影響が財務諸表全体に及ばないことも含め、限定付適正意見を表明する根拠について、十分かつ適切な説明を行うことが求められるとした。また、意見不表明の場合も例外的な状況であることを念頭に意見不表明に至った理由について、特に丁寧な説明を行うことを求めた。

加えて、経営者や監査役と監査人との間で見解の不一致等があり、財務諸表利用者等から疑問点が提起された場合には、監査人は経営者や監査役とのコミュニケーションの状況や見解の不一致の内容などについて、株主総会での監査人の意見陳述で追加的な説明を行うべきであるとしている。