年金基金解散で会計処理が不明 引当計上時期が論点に
平成25年6月の厚生年金保険法の改正に伴い、会計上の取扱いで不明確な点が出てきている。その1つが「総合型厚生年金基金の特例解散における会計処理」だ。
同法の改正により一定の総合型厚生年金基金に関する特例解散制度の見直しが行われたことに伴い、総合型厚生年金基金の「自主解散」の事例が散見されている。これらの基金に関しては、基本的に「代行割れ」の状態にあるため、最低責任準備金に対する積立不足額を各事業主が負担することとなるが、事業主が複数事業主制度の例外処理(拠出時費用処理)を採用している場合、この負担部分に関する引当計上をどのタイミングですればよいのかが不明確となっている。
実際には、基金(代議員会)における解散議決のタイミングか、あるいは解散議決の前のタイミングである基金における解散方針の議決の時点などで引当計上すべきか否かが問題となる。
この点、監査人サイドは財務会計基準機構の基準諮問会議に会計処理の明確化を要望している。現在、基準諮問会議の依頼を受けた企業会計基準委員会(ASBJ)の実務対応専門委員会が調査を行っている段階だ。今後、同委員会で会計処理の明確化が図られる可能性もある。