保証と贈与についても検討 法制審民法(債権関係)部会
法制審議会民法(債権関係)部会が、民法(債権関係)の改正に関する要綱案の取りまとめに向け精力的に審議を進めている。事務当局は6月10日の第90回会議に要綱仮案の原案「その1」を提示したのを皮切りに、6月24日の第92回会議に「その2」、7月8日の第93回会議に「その3」を提示。これに基づき審議した。
先立って同部会は改正に関する論点について検討。5月20日の第88回会議と5月27日の第89回会議では「保証」と「贈与」を取り上げた。「保証」では、
▽主たる債務の履行状況に関する情報提供義務▽保証人の責任の制限
▽根保証における元本確定前の履行請求の可否及び随伴性の有無
―について検討。保証人の責任の制限について規定を設けるとすると、その規定の適用を受ける保証契約の範囲、責任財産の限度を決定する基準となる時点、具体的な責任財産の限度(特に倒産手続きが開始された場合に債務の弁済に充てられるべき財産との関係)、複数の保証債務を負担する場合の処理のあり方、保証人について倒産手続きが開始した場合の扱いなどについて検討する必要があると考えられるが、どのように考えるか、と事務当局が問題提起した。贈与に関しては、贈与者の責任等(民法第551条関係)について検討された。