事業性融資推進法案等パブコメ 今後柔軟に対応を示唆

金融庁はこのほど、企業価値担保権付き融資の評価や引当の方法に関するガイド案と、事業性融資推進等に関する法律施行令案等についてパブリックコメントを実施し、合計43件の意見を公募した。ガイド案には25件、施行令案等には18件の意見が寄せられた。

ガイド案に関しては、企業価値担保権が一般担保と見なせるか無担保と扱うかの扱いが焦点であり、担保評価や引当算定方法の明確化を求める声が多く挙がった。一方、施行令等に関しては、信託会社の兼業範囲や不特定債権留保額の計算方法、登記・署名等の事務負担への懸念が中心であった。

これに対して金融庁は、ガイド案は旧検査マニュアルのような一律基準ではなく、金融機関が自主的判断を行う際の参考情報にすぎないとの立場を示した。また、指摘された実務上の課題には対応を検討し、引当基準や担保価値評価の手法については今後の実務動向やモニタリングを踏まえた見直しを行う方針を明示した。

さらに施行令等については、2026年5月施行に向けて必要な情報提供や事務負担軽減に配慮した制度整備を継続するとしている。方向性として、金融庁は画一的規制ではなく、自主性と柔軟運用を重視しつつ、実務上の負担や不透明さには改善の余地を残す姿勢を明確に表した形となる。

■参考:金融庁|「企業価値担保権付き融資の評価や引当の方法等に係る基本的な考え方について(案)」及び「事業性融資の推進等に関する法律施行令(案)」等に対するパブリックコメントの結果等について|

https://www.fsa.go.jp/news/r7/sonota/20250702/20250702.html