合同会社の新設が急増 新法人全体の27.3%占める

合同会社の新設が急増している。東京商工リサーチの調べでが、2024年に設立された新法人15万3,938社のうち、合同会社は4万2,107社で前年比3.5%増、全体の27.3%を占めた。制度上の手続きの簡易性や設立費用の低さ、機動的な運営が可能な点が評価され、外資系企業や個人事業主の法人化手段として活用されている。

2006年の制度導入当初は1万社程度だったが、年々増加し2023年に4万社を超え、2024年には5年連続増となった。背景には、2年前導入されたインボイス制度があり、個人事業主の法人化ニーズが高まったことも後押ししている。

業種別には、農林漁業(11.6%増)や不動産業、小売業などが伸長する一方で、建設業や運輸業は減少。地域別では、東京都が最多(1万3,391社)で全体の3割超、地方では富山県が前年より約41%増となるなど、全国的な広がりを見せている。

今後も合同会社の設立は増加が見込まれるが、一方で設立が容易であるがゆえに、信用力の不足や実態の乏しさが問題視される傾向もある。そのため、一定の段階で株式会社へ移行するケースも見られる。制度上の見直しや信用力強化の対策と併せて、合同会社と株式会社の補完的活用が今後の法人設立動向における鍵となる。

■参考:東京商工リサーチ|2024年「合同会社」の新設法人調査|

https://www.tsr-net.co.jp/data/detail/1201488_1527.html