大学教員の無期労働契約主張も 任期法の教育研究組織職に該当

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大学の教員として勤務していた被上告人が、労働契約法18条1項に基づき、期間の定めのない労働契約(無期労働契約)が締結されたと主張し、労働契約上の地位の確認および賃金等の支払いを求めた事案。上告人は、被上告人が就いていた職が大学の教員等の任期に関する法律(任期法)4
条1 項1 号所定の教育研究組織の職に該当し、無期労働契約が締結されたことにはならないと主張した。

原審は、本件労働契約は任期法7 条1 項所定の労働契約には当たらないとし、労働契約法18条1項に基づき、被上告人と上告人との間で無期労働契約が締結されたと判断し、被上告人の地位確認請求および賃金等の支払い請求の一部を認容した。

最高裁判所は、原審の判断を是認せず、〇任期法4条1項1号所定の教育研究組織の職の意義について、厳格に解するのは相当でない〇本件講師職の特性として、介護福祉士等の資格および実務経験を有する教員による実践的な教育研究が行われており、教員の流動性を高めることが望ましいとされ、本件講師職は多様な知識や経験を有する人材を確保することが特に求められる教育研究組織の職である、との理由から、原判決を破棄し、大阪高等裁判所に差し戻した。

■参考:最高裁判所| 大学の教員の職が大学の教員等の任期に関する法律4条1項1号所定の教育研究組織の職に当たるとされた事例 令和6年10月31日 最高裁判所第一小法廷

https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=93463