帝国データバンクは「旅館・ホテル業界の動向調査」結果を発表した。それによると、過去1年間に同社が調査した全国の旅館・ホテル業界のうち、直近の業況が判明した約800社を集計した結果、23年4月時点で61%の企業が「増収基調」であることが分かった。
業態別の増収割合を見ると、ホテルは62%、旅館は55%と、ホテル業態での業績回復が目立った。同社は「国内旅行客に加えてインバウンド(訪日外国人客)需要も急回復している。旅館・ホテル業界の業況はコロナ禍の悪化局面から脱し、インバウンド増加を追い風に急回復の局面を迎えた。今後の動向は人手不足による稼働率低下の回避が焦点となりそうだ」と話している。
4月時点までの各社業績推移を基にした22年度通期の旅館・ホテル市場(事業者売上高ベース)は、前年度から約2割増の3.4兆円に到達した。過去最高に達したコロナ前の18年度の約5.2兆円から約6割の水準にとどまるものの、前年度比40%超減と過去に例のない落ち込みを記録した20年度(2兆8360億円)をボトムに回復基調で推移している。同社は「引き続き現状の回復ペースが続けば、23年度の旅館・ホテル市場はコロナ禍前並みの4兆~5兆円前後に到達する可能性がある」とみている。
■参考:帝国データバンク|「旅館・ホテル業界」 動向調査(2022年度)|
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/p230702.html