複数事業主制度の注記を明確化 改正退職給付適用指針が公表

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企業会計基準委員会は3月26日、改正企業会計基準適用指針第25号「退職給付に関する会計基準の適用指針」を公表した。

厚生労働省通知により、厚生年金基金及び確定給付企業年金の財務諸表の表示方法の変更が行われたことに伴うものである。複数事業主制度を採用している場合において、確定拠出制度に準じた会計処理及び開示を行う場合の注記事項である「直近の積立状況等」のうち、「年金財政計算上の給付債務の額」については、従来と実質的に同じ内容の額の注記を求める。ただし、名称を「年金財政計算上の数理債務の額と最低責任準備金の額との合計額」と変更して、注記すべき金額を明らかにしている。厚生年金基金の場合は両者の合計額となり、確定給付企業年金の場合は代行部分の給付がないため、「年金財政計算上の数理債務の額」のみとなる。

これらの改正点については、2月24日まで意見募集を行っていた公開草案から内容面での変更はない。適用は、適用指針公表日以後最初に終了する事業年度の年度末に係る財務諸表から適用される。また、適用に際しては、表示方法の変更として取り扱われるため、原則として、表示する過去の期間における注記についても新たな表示方法を適用することになる。