相続財産過少申告の意図なし 処分取り消し―国税不服審

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審査請求人が、原処分庁所属職員の調査を受けて相続税の修正申告をしたところ、同庁が、被相続人の死亡により受領した生命保険金2口のうち1口を課税価格に含めずに申告したことは国税通則法第68条《重加算税》第1項に規定する隠蔽又は仮装に当たるとして賦課決定処分をした。

請求人がそんな事実はないとして処分の一部取り消しを求めた事案で国税不服審判所は3年3月1日付で、当初から相続財産を過少に申告することを意図し、その意図を外部からもうかがい得る特段の行動があったと認めることはできないとして処分を取り消した。審判所は▽請求人が当初は、生保契約に係る申告すべき保険金は同じ保険会社の別件の申告済みの保険金のみだと誤認していた▽申告済み保険金と本件保険金の請求手続きは、請求人が仕事で多忙な中、その合間に行われた―などからすると、請求人が本件保険金について、その存在や申告が必要な相続財産であることを一旦認識したものの、申告までの間に失念ないし誤認した可能性を直ちに否定できない―と認定。関与税理士等とのやりとりの経過等を見ても、請求人が当初からあえて申告しないことを意図し、その意図を外部からもうかがい得る特段の行動をしたともいえないため、賦課要件を充足しないとした。

■参考:国税不服審判所|当初から相続財産を過少に申告することを意図し、その意図を外部からもうかがい得る特段の行動があったものと認めることはできないとして、重加算税の賦課決定処分を取り消した事例(令和3年3月1日・棄却)

https://www.kfs.go.jp/service/MP/01/0605030200.html#a122_2