通謀虚偽表示に当たらない 軽種馬取引―国税不服審判所

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審査請求人が取引先から取得した軽種馬の代金を、課税仕入れに係る支払対価の額に計上して消費税等の確定申告をしたところ、原処分庁が取引に係る売買契約は通謀虚偽表示により無効として、請求人の課税仕入れに係る支払対価の額の一部を認めない旨の更正処分をした。

請求人が原処分庁の認定した事実には誤りがあるなどとして処分の一部の取り消しを求めた事案で、国税不服審判所は2年5月19日付で、通謀虚偽表示により無効とは認められないと判断、原処分の一部を取り消した。原処分庁は同取引について、実体は請求人が軽種馬生産に関する農業協同組合を通じて直接購入したものであり、法人が当該農業協同組合から落札し購入した金額と、本件各取引に係る売買金額の差額分に相当する金額は、請求人の課税仕入れに係る支払対価の額に該当しない旨主張。

審判所は▽各差額が支払対価の額に該当するか否かに関し=各取引に係る売買契約については契約内容の通り履行されている▽請求人が仕入税額控除をしたことについて通則法第68条第1項の隠蔽または仮装の行為に該当する事実があるか否かに関し=請求人と法人との間に通謀虚偽表示を行う十分な動機があったとまでいえず、これを基礎付ける証拠もない―とし、審査請求を認容した。

■参考:国税不服審判所|請求人と取引先との売買契約は通謀虚偽表示には当たらないとした事例(令和2年5月19日裁決)|

https://www.kfs.go.jp/service/MP/05/0501010000.html#a119