Weeklyコラム 働き方改革と有給休暇


2019年4月1日から施行された働き方改革関連法の中に、「年次有給休暇が10日以上ある場合、使用者は毎年5日時季を指定して有給休暇を与える必要がある」という規定がある。

違反者には、罰則まである。ここまで強制しないと、有給休暇の取得率は上がらないのだろうか。まだ日本の職場は、経営者や同僚への遠慮が強いようだ。有給休暇の取得率は企業によって差が大きいが、一般には小企業ほど取得が難しい。例えば、X社(雑貨卸業、社員15人)は人手不足と人件費抑制で、社員が有給休暇を取ると、社長や管理者が現場作業や配送業務等をしなければならない。結果、外部との取引交渉や事務作業等が滞り、社員も取得を遠慮している。また、Y社(惣菜製造販売チェーン)は、店長のみが正社員で他は学生アルバイトかパート(短時間勤務が中心)である。店長が有給休暇を取る日は本部から補充者が来るが、店舗運営がスムーズに行かない。

事例のような場合は、人事管理だけでなく、経営体制(組織、経営戦略等)を改めなければならない。今後、社員が有給休暇を確実に取得出来る為に、労働時間の適正化や不合理な差別待遇の禁止等の働き方改革が必要だ。決め手は、「取得率向上が会社の発展になる」という経営陣の意識改革と考える。