相続法制見直し 追加試案で要綱案作成へ

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法制審議会民法(相続関係)部会はこのほど、第24回会合を開き、パブリックコメント(「中間試案後に追加された民法(相続関係)等の改正に関する試案(追加試案)」)の結果を踏まえて議論された。

追加試案では主に、遺産分割等についての見直しの部分で、配偶者保護の方策を盛り込んでおり、居住用不動産の贈与等が行われた場合における持戻し免除の意思表示の推定規定を設けることについて、パブコメでは概ね理解が得られとし、追加試案の内容で相続法制見直しの要綱案を作成するものとみられる。

追加試案では婚姻期間が20年以上である夫婦の一方が他方に対し、その居住の用に供する建物またはその敷地の全部または一部を遺贈又は贈与したときは、持戻し免除の意思表示があったものと推定するとしている。現行制度では、相続人の中に遺贈等を受けた者があった場合、相続財産にその財産の金額を加えたものを相続財産として、これを基礎に相続人の相続分を算定する。追加試案では、遺贈をした被相続人の意思を尊重した取り扱いをできるようにする。

同部会では、平成29年末または30年初頭の要綱案の取りまとめを目指すとしている。