就労前に病歴ありでも労災認定判決


精神的疾患による労災が増えている。精神障害での労災請求件数は平成25年度には前年度比152件増の1,409件となった。

職場の精神疾患の原因は人間関係や加重過ぎる労働時間など様々だが、一方で現代型うつ病などと呼ばれ、仕事に行くことは困難でも、レジャーなどの気晴らしは活発にできる新型も取り沙汰されており、企業としては誰がどの程度の問題を抱えているのかを正確に把握するのは極めて困難だ。

先般、就労以前にうつ病の病歴があった社員が自殺した事件で、東京地裁は自殺は過労によるうつ病が原因であるとし、労災との判決をくだした。この事案は労働基準監督署により、就労以前からのうつ病が続いていたものとして業務との因果関係が否定され、労災の遺族補償給付が不支給とされていたものだ。判決では就職時には安定した状態で通常の勤務を行うことができていたと認定、その後の業務上のストレスが重なってうつ状態になったとしている。就職にあたっては、多くの企業で健康診断を行っているが、精神疾患の病歴についてまではなかなか把握できないのが現状だ。地裁の判決はこの事案が労災であったと認めたわけで、今後、企業側の安全配慮義務違反が別途問われる可能性もある。