厚生労働省は、令和5年度予算特集の中で社会保障関係予算のポイントを詳しく解説している。5年度の社会保障関係費は前年度に比べ約6200億円増の36兆9000億円程度となった。経済・物価動向等を踏まえつつ、社会保障関係費の実質的な伸びを、高齢化による増加分におさめる方針を達成した(年金スライド分を除く高齢化による増は4100億円程度、年金スライド分の増は2200億円程度)。
岸田政権が政策の大きな目玉に掲げているこども・子育て支援の充実の中で、5年4月に創設した「こども家庭庁」には、一般会計・年金特別会計合わせて4兆8104億円(前年度4兆6871億円)の予算を措置した。
主な増加要因として出産・子育て応援交付金の370億円、保育士・幼稚園教諭等の処遇改善564億円などを挙げている。総額36兆9000億円のうち最大の3分の1を占める年金国庫負担は12兆5615億円の前年度比2.6%増となった。基礎年金国庫負担(2分の1)等について措置しており、足もとの物価等を勘案し、5年度の年金額改定率について新規裁定者(67歳以下の者)は2.2%、既裁定者(68歳以上の者)は1.9%と見込んだ。ほかに医療、介護、薬価改定、生活保護などの分野についても説明している。
■参考:財務省|令和5年度社会保障関係予算のポイント(広報誌「ファイナンス4月号」)
https://www.mof.go.jp/public_relations/finance/202304/202304c.pdf