上告人が、ツイッターのウェブサイトに投稿された各ツイートによりプライバシーに属する事実をみだりに公表されない利益等が侵害されていると主張してツイッターを運営する被上告人に対し、人格権ないし人格的利益に基づきツイートの削除を求める事案で最高裁第二小法廷は原判決を破棄、被上告人の控訴を棄却した。
上告人は旅館の女性用浴場の脱衣所に侵入した被疑事実で逮捕・罰金刑に処せられ、罰金を納付。逮捕の事実は逮捕当日に報道され、その記事が複数の報道機関のウェブサイトに掲載され、ツイッター上の氏名不詳者らのアカウントにおいて本件各ツイートがされた。本件各ツイートは、いずれも報道記事の一部を転載して本件事実を摘示するもので、多くがその転載された報道記事のウェブページへのリンクが設定されていた。逮捕時点で会社員だった上告人は現在、父が営む事業の手伝いなどをして生活。配偶者に対しては本件事実を伝えていない。
原審は、上告人の本件事実を公表されない法的利益が優越することが明らかとはいえないとして請求を棄却。
最高裁は、上告人をめぐる諸事情を精査・吟味したうえで、本件事実を公表されない法的利益が各ツイートを一般の閲覧に供し続ける理由に優越すると認めるのが相当だとした。
■参考:最高裁判所|プライバシーの事実をツイートされた場合にツイッターの運営者に対してツイート削除を求めることができるとされた事例(令和4年6月24日・第二小法廷)|
https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=91265