東京商工リサーチは2021年度上半期(4月―9月)の旅行業倒産(負債1000万円以上)の調査結果を発表した。それによると、倒産件数は16件で、前年同期比2.6倍に急増した。
前年同期を上回ったのは4年ぶり。新型コロナ関連倒産は15件で全体の9割超を占め、コロナ禍の長期化が旅行業に深刻な影響を与えていることが分かった。同社は「20年に廃業した旅行業者は過去10年間で最多の158社に上る。より厳しい経営環境となった21年は、これを上回る可能性も出ている。また、コロナ収束の時期にもよるが、それまでは旅行業の息切れ倒産、廃業の増加が危惧される」と厳しい見方を示している。
21年度上半期の負債総額は23億7400万円(前年同期比91.6%減)で、2年ぶりに前年同期を下回った。前年6月に民事再生法の適用を申請したホワイト・ベアーファミリー(大阪府、負債278億円)の大型倒産が発生しており、その反動で大幅に減少した。原因別の最多は「販売不振」の14件で、旅行業倒産の9割弱を占めた。同社は「コロナ禍の業況悪化を原因とした旅行業者が大部分を占めた。また、国内旅行よりも海外旅行の方が壊滅的な状況で、海外旅行に特化した業者の倒産が散発している」と分析。
■参考:東京商工リサーチ|2021年度上半期 旅行業の倒産、コロナの影響で前年同期比2.6倍に急増|
https://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20211006_03.html