20年後、最大の社会問題化も 親同居未婚者の増加―山田教授

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財務省財務総合政策研究所の「人口動態と経済・社会の変化に関する研究会」は第1回会議をオンラインで開催。座長の山田昌弘中央大学教授が「日本で少子化対策はなぜ失敗したのか~コロナ後の家族は変わるのか?~」について報告。

2015年時点で35~44歳の中年の親同居未婚者が全国で約300万人に上ったとし、親同居未婚者の中高年化が進むと、親が亡くなった後は、いままで前例のない状況になり、20年後の最大の問題となる可能性があると予想した。同教授はこの中で、少子化の日本的特徴と少子化の要因を分析、暫定的結論として、▽子供に惨めな思いをさせたくないという親の意識▽子供の経済・教育環境は親が整えなくてはならないという現状―が続き▽若年男性の経済格差が拡大し▽男性が主に家計を支えるという意識が続いたままで▽特に親が未婚の若者を経済的に支え▽大きな経済成長が望めない限り―日本の若者は子供を多く産み育てようとは思わず、コロナ禍がこの傾向を増幅させる可能性があると推論。

(1)若者に結婚しやすい条件を整える=どんな仕事についていようが、誰と結婚して子供を育てようが、将来中流生活が送れる保証を与える(2)中高年独身者が生活できる条件を整える―の2つの対策が必要だと指摘した。

■参考:財務省|報告「日本で少子化対策はなぜ失敗したのか-コロナ後の家族は変わるのか?」山田昌弘中央大学文学部教授|

https://www.mof.go.jp/pri/research/conference/fy2020/jinkou202010.pdf