経済産業省はこのほど、2019年版の中小企業白書を公表した。
第1部では昨年度の動向として、中小企業の経常利益が昨年に続き過去最高水準にあるなど改善傾向の景況を伝え、この4年間は、存続している企業が付加価値を伸ばすことで廃業した企業による減少分を上回っていることを示している。(一社)CRD協会のデータを用いて財務状況を明示するほか、人手不足や開廃業の状況も詳述。
第2部では経営者の世代交代に焦点を当て、段階的に仕事を任せて若手後継者の成長を促した事例や、支援機関のマッチングにより障害者就労継続支援の企業へ円滑な事業譲渡ができた事例、廃業した同業者から取引先や従業員、設備を引継ぎ成長につなげた事例などを挙げながら、若い世代への事業承継が業績にプラスとなること、経営資源の引継ぎのためには早めの準備が必要であることや、経営資源を引き継ぐことは旧経営者と、後継者・起業家の双方にとって有益であること等を明らかにした。
第3部では、期待される自己変革として、人口減少やデジタル化、グローバル化における行動変容、ステークホルダーとの関係の再構築についてヒントを示すほか、災害に関するリスク把握や損害保険加入を含む事前対策について伝えている。
■参考:経済産業省中小企業庁|2019年版「中小企業白書」「小規模企業白書」を公表します|
https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/190426hakusyo.html