富裕層と関係法人等を一体管理 税務署、試行的に導入

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国税庁は昨年から富裕層への対応を強化しているが、平成30事務年度でも富裕層対応に力を入れることを指示。一部報道では、一部の税務署で富裕層とその関係法人等を含めて一体的に管理する体制を試行的に導入した。

富裕層への対応強化策として同庁は昨年、全国の国税局に富裕層プロジェクト・チーム(PT)を設置した。税務署は通常、法人部門は法人、個人部門は個人と、部門ごとに対象の情報を管理しているが、PTでは各部門の一部の担当者がチームを組み、一定基準以上の富裕層とされる個人だけでなく、その親族等の関係個人や法人をまとめて管理。将来の相続税の適正課税も含め一体的かつ継続的にグループ単位で情報収集や分析を行う形にした。

今回、一部の税務署で試行導入した一体管理体制は、富裕層PTのいわば普及版で、税務署からみて多額の資産を持ち、一体的かつ継続的な管理が必要と判断したものを、同様の体制で管理していく。その対象としては「見込保有資産総額が特に大きいもの」や「租税回避行為など税務上問題があることが想定されるもの」が選定されるもよう。一体管理体制は現在、東京・大阪・名古屋・関東信越国税局のうち、規模の大きい10署以上で行われているといわれ、取り組みを全国に広げる可能性もある。