19年度経産省税制改正要望 事業承継税制を個人にも拡大

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報道によると、経済産業省は2019年度税制改正要望で、個人事業主を対象とする「個人版事業承継税制」の創設を掲げている。18年度に法人向け事業承継税制を大きく見直し拡充したのに続き、個人事業主の土地や建物、機械設備等の事業用資産を対象に、先代経営者から後継者への承継を進めやすくする狙い。

個人事業主から子供らが事業を引き継ぐ際、相続税の負担が重く、廃業を余儀なくされる場合がある。経営者が個人で保有する工作機械などの設備のほか、建物にかかる税の軽減を求める。経産省によると、25年までに70歳を超える中小企業・小規模事業者の経営者は全国で245万人に上るといわれるが、このうち約半分の127万人が後継者が決まっていないという。また、以前約350万人いた個人事業主はここ10年で200万人ほどに減少。税制軽減等の後押しで、高いノウハウや技術を持った意欲のある個人事業主の廃業を防ぐ。

また、親族外承継支援として、一定の要件を満たす事業承継ファンドから出資を受けた場合でも、中小企業税制の適用を受けられるようにするための要件緩和を要望する。同省は2021年までを事業承継政策の集中期間として、税制や補助事業等による抜本的な支援を進めている。