Weeklyコラム 残業を減らす

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残業(時間外労働)は、どのようにすれば減らせるのだろうか。ここでは、中小企業特に零細企業について考えてみたい。最近の状況として、景気回復に伴って仕事の負担が増えて残業が増し、多くの企業で離職者が増えて人手不足になっている。相当割合の企業が残業の縮小に本気で取り組んでこなかった事も一因のようだ。

例えば、家族経営で創業した寿司屋があったとする。当初は自営として長時間労働を当たり前と考え、明け方から仕事を始めて(鮮魚の仕入れに行く等)、夜は深夜まで営業をしている。家族だけで営んでいる時は許されるかもしれないが、正社員やパートを雇うようになると、労働時間や残業の問題が発生する。店主とその家族は、社員に給料や残業代をきちんと払えば全くやましさを感じないかもしれない。自分達は明け方から深夜までずっと働いてきた、と。

また、企業の一部は基本給が低く、残業代等の各種手当を加える事によって、世間並の給料になっている場合がある。社員も残業代に依存して、過大な残業に不満を抱きつつも、手取収入の減少を避けている。

残業時間の減少は、単に残業の縮小を叫ぶだけでなく、経営者と社員の意識改善とともに、給与体系や給与水準(特に基本給)の見直しによって実現されるであろう。