金融審議会に設置されたディスクロージャーWG(座長:神田秀樹東京大学大学院法学政治学研究科教授)において、金融商品取引法・会社法・決算短信の重複開示の廃止などの検討が開始された。同WGでは来年3月頃にも報告書をまとめる。
今回の見直しでは、3つの開示制度の相違点などを統一する方針だ。例えば、決算短信では経営方針の記載が要求されているが、有価証券報告書や事業報告では明示的に要求されていない。また、有価証券報告書と事業報告とで大株主の状況における所有株式数の定義が異なるなどの相違点などが論点に挙がっている。
加えて四半期開示については大きな論点となりそうだ。日本の場合、取引所における四半期決算短信と金商法上の四半期報告書は、ほぼ同じ内容の開示が行われている。開示時期も四半期決算短信は四半期末から平均で34日、四半期報告書は平均で41日となっている。四半期決算短信が開示されてから1週間後には四半期報告書が開示されるという計算だ。このため、企業側からは四半期決算短信は任意とすべきとの意見が強まっている。
そのほか、非財務情報の開示についても検討がなされる予定である。業績予想の開示も論点の1つとなっている。