金融庁は、いわゆる持合い株式である政策保有株式に係る開示事項を追加する方針であることがわかった。金融庁が実施した令和5年度有価証券報告書レビューで重点テーマの1つとなっていた政策保有株式だが、レビュー結果によると、政策保有株式を縮減する方針を示しているにもかかわらず、売却可能時期等について発行者と合意をしていない状態で純投資目的の株式に変更していたり、又は、発行者から売却の合意を得た上で純投資目的の株式に区分変更したものの、実際には長期間売却に取り組む予定はなく、実質的に政策保有株式を継続保有していることと差異がない状態になっているものが見受けられたとしている。
このため、金融庁は、令和6年度の有価証券報告書レビューにおいても、政策保有株式及び純投資目的の株式の開示(株式の売却制限等及び長期保有株式の状況)を対象に審査を実施することとしているが、これを踏まえ、令和6年度において政策保有株式に係る開示事項の追加等を検討する方針だ。金融庁がこのほど公表した「2024事務年度金融行政方針」では、株式の保有目的を政策保有目的から純投資目的に変更した際に必要な開示事項等を追加することとしており、今後、内閣府令等の改正が予定されている。
■参考:金融庁|有価証券報告書の作成・提出に際しての留意すべき事項等(サステナビリティ開示等の課題対応にあたって参考となる開示例集を含む)及び有価証券報告書レビューの実施について(令和6年度)|
https://www.fsa.go.jp/news/r5/sonota/20240329-9/20240329.html