証券取引等監視委員会はこのほど、三ッ星(東証スタンダード市場)株式に係る大量保有報告書等の不提出及び変更報告書の虚偽記載を行ったとして、株式会社シンシア工務店(非上場)、大量保有者A(会社役員)、株式会社和円商事(非上場)の3者に対し課徴金を課すよう内閣総理大臣及び金融庁長官に勧告した。証券取引等監視委員会が大量保有報告書等に関して課徴金勧告をしたのは、三栄建築設計株式に係る変更報告書の虚偽記載に続き2件目となる。大量保有報告書等は、提出事由が生じた日から5日以内に提出することとされているが、提出遅延も多いことから、2008年の金融商品取引法の改正により、大量保有報告書等の不提出及び不実記載が課徴金制度の対象となった。ただ、その後も大量保有報告書等の提出遅延は後を絶たず、現在も年間平均で約1,500件が提出遅延となっている。一方、課徴金納付命令が実際に発出された件数は課徴金制度導入以来、わずか8件にすぎない。
このため、昨年12月にとりまとめられた金融審議会「公開買付制度・大量保有報告制度等ワーキング・グループ」の報告書では、「まずは大量保有報告制度違反に対する当局の対応を強化していくことが重要である」と明記されることになった。
■参考:証券取引監視委員会|株式会社三ッ星株式に係る大量保有報告書等の不提出及び変更報告書の虚偽記載に係る課徴金納付命令勧告について|
https://www.fsa.go.jp/sesc/news/c_2024/2024/20240628-1.html