種類株式の買戻し時の株価算定 低廉譲渡になるか事前照会

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公認会計士協会より、国税庁に以下概要の事前照会があり、同庁は事実関係に対して同協会の求める見解となることを示した。

スタートアップ(非上場の会社)であるX社は、資本金1,000万円で5年前に設立され、順調に業況が拡大し研究開発の資金を調達するため資本政策を考えていた。3年前に利害関係のないベンチャーキャピタルY社から出資の打診を受けた。

内容は、X社が設立時に発行した普通株式500株(1株当たり43,000円)と、配当優先付無議決権株式(本件種類株式)500株(1株当たり57,000円)を新たに発行して、総額5,000万円の資金調達を行うといった提案でX社は受け入れた。当該投資契約には、本件新株発行を行った日から3年経過後、本件種類株式500株について、X社により買戻しができる旨が定められていた。株価算定を行う専門家第三者は、両社合意により、双方と利害関係がないZ社が選ばれた。

今般、本件新株発行から3年が経過し、X社はY社の本件種類株式を買い戻すこととしたため、Z社の評価を基に、買取価額を一株当たり64,500円としY社より金銭を対価として本件種類株式を取得した。このようなY社からX社への本件種類株式の譲渡について、税務上低廉譲渡等の疑義は生じない。

■参考:国税庁|買戻条件の付された種類株式について買戻しが行われた場合における譲渡法人の税務上の取扱いについて(株価算定書の価額を参酌して決定された価額に基づき買戻しが行われた場合) |

https://www.nta.go.jp/law/bunshokaito/hojin/240328/besshi.htm#a01