中小企業庁は「約束手形をはじめとする支払条件の改善に向けた検討会」が2月19日の第6回会議後にまとめた報告書を公表。
報告書は、日本経済の発展にあたって約束手形が有力な決済手段として果たしてきた役割を認めた上で、「紙」の取り扱いが不可避な約束手形を用いた決済は見直されるべきであり、電子的決済手段(電子記録債権等)への切り替えを提言、約束手形の利用廃止等に向けた自主行動計画の策定を呼びかけた。
策定にあたっては▽業種によって資金サイクルが違うなど事情が異なるため、各業界の特性を踏まえた取り組みにする▽発注者側の大企業から順にサプライチェーン全体への取り組みへと進めていく▽振出人に有利な料金体系、代替手段の利便性の確保など、廃止していく上では決済手段を提供する金融機関の取り組みも不可欠―と指摘。産業界、金融界はそれぞれ「約束手形の利用の廃止等に向けた自主行動計画」を策定すべきで、策定に要する期間は5年、毎年のフォローアップの状況も見ながら3年後に中間的な評価を行い、必要な見直しをするといった段取りを想定した。
また、あくまで「自主的な」取り組みであるため、進捗を把握・管理しつつ実行する仕組み(PDCAを回していく場の設定)を併せて講じる必要があると提唱した。
■参考:中小企業庁|約束手形をはじめとする支払条件の改善に向けた検討会・報告書|
https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/kenkyukai/index.html#shiharaikaizen