国税庁は12月19日付で、法人税基本通達等の中の美術品等に係る「時の経過によりその価値の減少しない資産」の範囲を改正し、27年1月1日以後に開始する事業年度から適用することにした。所得税基本通達も同様に改正された。
法人税基本通達7-1-1は古美術品、古文書等について、歴史的価値などを有し、代替性のないものは減価償却資産に該当しないとしている。これは変更なし。従来、美術関係の年鑑等に登載されている作者の制作に係るものも減価償却資産に該当しないとしていたが、これを廃止した。また、減価償却資産として取り扱う取得価額を、1点20万円未満から同100万円未満に引き上げた。同100万円以上のものでも、時の経過で価値が減少することが明らかなもの、例えば、会館のロビーのような不特定多数の者が利用する場所の装飾用として法人が取得するもののうち、移設が困難で、美術品等としての市場価値が見込まれないものは減価償却資産とした。
今回の改正は、過去にさかのぼって適用はしないが、27年1月1日前から非減価償却資産である美術品等を有し、改正後の基準に基づき減価償却資産に該当すれば、27年分または1月1日以後最初に開始する事業年度から減価償却ができる。
■参考:|国税庁|法人税基本通達等の一部改正について(法令解釈通達)他
http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kihon/shotoku/kaisei/141200/pdf/01.pdf
http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kihon/hojin/kaisei/141200/pdf/01.pdf