今回の改正では納税者利便の向上及び官民を通じた業務の効率化を図るため、税務関連手続の電子化がいっそう推進される。
1)電子帳簿等保存制度では、国税関係帳簿書類の保存義務者が電子取引を行った場合の電磁的記録の保存方法について、要件が緩和される。○請求書等の発行者側でタイムスタンプが付された電磁的記録を受領した場合、受領者側のタイムスタンプは不要となる。○受領者に、訂正又は削除の事実及び内容を確認できるシステム(クラウド会計等)の利用を認め、その電磁的記録の授受及び保存ができるようになる。これらの保存要件の緩和により、紙の請求書や領収書等の受領、スキャン作業が不要となるためバックオフィスの効率化に寄与すると期待される。適用は本年10月1日。
2)地方公共団体の収納事務を行う地方税共同機構が電子的に処理する特定徴収金の対象税目を拡大して個人住民税の利子割、配当割及び株式等譲渡所得割を追加し、金融機関等の特別徴収業者がeLTAXを通じて電子で申告及び納入を行うための措置を講ずる。令和3年10月1日より適用。
他に、振替納税の通知依頼・ダイレクト納付の利用届の電子化や準確定申告の電子手続の簡素化、納税地の異動があった場合の振替納税手続の簡素化なども行われる。
■参考:財務省|所得税法等の一部を改正する法律案|
https://www.mof.go.jp/about_mof/bills/201diet/index.htm#02