隠ぺい行為に該当せず―審判所 重加算税賦課処分を取り消す

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相続税の期限後申告をした審査請求人が、原処分庁の調査に基づきその際に申告していなかった相続財産について修正申告をした。原処分庁が国税通則法第68条《重加算税》第2項に規定する隠ぺいの事実が認められるとして重加算税の賦課決定処分を行った。請求人が隠ぺいの事実はないとしてその全部の取り消しを求めた事案で国税不服審判所は、隠ぺいまたは仮装の行為に当たらないとして重加算税賦課決定処分を取り消した。1月30日付裁決。

原処分庁は、請求人は相続財産を正確に把握していたにもかかわらず、あえて一部の保険金と遺族一時金を記載せずに相続財産の一覧表を作成。相続税の申告にあたりこれを税理士に交付した。請求人が税理士提出用一覧表を作成した行為は隠ぺい行為に当たる旨主張。

審判所は▽各無申告保険金と遺族一時金が振り込まれた請求人名義の各口座は、いずれも原処分庁がその存在を容易に把握し得る▽税理士提出用一覧表は上書き入力を繰り返したために遺族一時金の記載が消えてしまった旨の請求人の説明は一応合理的―等によれば、請求人があえて各無申告保険金と遺族一時金を記載せずに税理士提出用一覧表を作成したとの事実の推認はできず、ほかにこの事実を認めるに足りる証拠はないとした。

■参考:国税不服審判所|税理士交付用相続財産一覧表は隠ぺい又は仮装の行為に当たらないとした事例(一部取消し・平成30年1月30日裁決)

http://www.kfs.go.jp/service/MP/01/0605030200.html#a110_2