企業会計基準委員会は日本公認会計士協会の税効果会計実務指針などの5つの実務指針を移管し、税効果会計に係る会計基準や適用指針等を公表しているが、公開草案を公表した際に関係者から寄せられた意見のうち将来の検討課題とされた論点については、実務指針の移管後に改めて検討することとしていた。
このため同委員会では、「その他の包括利益に対する課税」及び「100%子会社間での子会社株式等の売買に係る税効果」に関する2つの論点について、今後検討する旨を明らかにしている。
例えば、「その他の包括利益に対する課税」については、連結納税加入時にその他有価証券が税務上時価評価された場合においてその他の包括利益に課税されることがあるが、当該項目に関連する税金を「法人税、住民税及び事業税」に含めて処理するか、「その他の包括利益」に含めて処理するかの明確化を求めるものである。
その他、論点として挙げられていた「中間財務諸表及び四半期財務諸表における簡便法」「連結納税を離脱する際の税効果」「在外子会社等への投資のヘッジに係る税効果」「無対価組織再編に係る税効果」などについては、現時点では検討を行うほどの必要性は乏しいと結論付けている。