65歳までの定年延長 民間も備えが必要に

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人事院が公表した国家公務員の働き方改革の具体的な方針において、65歳までの定年延長が明記されている。年金の支給開始年齢の引上げと定年後の65歳までの雇用延長はセットで進められてきたが、ここにきてまずは国家公務員から定年自体を65歳に引き上げる流れができたことになる。これまでの例からいえば、この流れは民間企業にもいずれ到来することになる。

人事院としては霞が関の人材不足を定年延長の理由にあげているが、これは民間企業でも同じことが言えるだろう。従来、国家公務員についても65歳まで働ける再任用制度があるが、主に中核ポスト以外の処遇だ。また8割が短時間勤務となっている点が民間企業とは大きく異なる点だろう。

今後、国家公務員の定年を延長するに当たり、人事・給与のシステム全般を見直す必要があるわけだが、この見直しは、今後定年延長を考える民間企業においても参考になるだろう。単純に60歳定年を65歳に延長するだけでは、人件費的にも無理がある。また、処遇をどうするか、どのポジションで活躍してもらうかなど、解決すべき課題は山積みだ。60歳以降の賃金の設定、役職定年制度等の導入等、国の施策を参考に自社にあった制度の構築を今から検討すべきだろう。