人手不足が深刻化している。思うように求人がうまくいかないだけではなく、人手不足倒産も増加傾向にある。株式会社東京商工リサーチの調査では、平成30年6月の人手不足倒産は5月についで今年2番目に多い36件となっており、5月、6月と続けて高水準となったことがわかった。人材を確保したい企業では様々な手段を用いて採用活動を行っているようだが、賃金面でのアピールは求人においては一番わかりやすい訴求力がある。
株式会社リクルートキャリアの調査によると、4月~6月における転職時の賃金状況は引き続き上昇傾向にあることが分かった。前職と比べ賃金が1割以上増加した転職決定者の割合は30.1%となり、前年同期比2.0%上昇している。リーマンショックなどの影響によって平成21年に底を打った賃金状況は、その後回復傾向にあり、25年以降は上昇傾向が継続している。
やりがいや社内の雰囲気、与えられる裁量等、労働条件は賃金だけではないことは事実だが、それでもそれぞれの生活を考えれば賃金は高いに越したことはない。優秀な人材を確保するには、やはり賃金水準の引上げは不可欠となるだろう。そのためにもより生産性が高く、無駄のない企業運営が求められる時代のようだ。