Weeklyコラム 四つの条件

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経営の三大要素として、よく「人・物・金」が挙げられ、最近はこれに「情報」が加わる。また、生活の三大要素には、従来から「衣・食・住」があるが、最近は「医療・レジャー・通信・交通等」のサービスが重要な位置を占めるようになった。では、人間生活の重要条件の要素として、衣・食・住以外に一つだけ優先的に採るとしたら、一体何であろうか。誤解が無いように念の為に言うが、次に述べることは優先度の問題である。他の要素も重要だ。

14世紀に吉田兼好が執筆した『徒然草(第123段)』に興味深い文章がある(西岡実・安良岡康作校注、岩波文庫等を参照)。まず、衣・食・住を挙げた後、「医療を忘るべからず。薬を加えて四つの事、求め得ざるを貧しとす」と言う。つまり、四つの生活重要条件は、「衣・食・住・医」とする。衣・食・住を満たした人が次に優先的支出をする費用が医療であろう。健康な人は旅行や遊興費等を大いに使うが、病があれば医療費が優先する。今後も医療関連産業は確実に成長するであろう。

なお、医療費は、政治経済的に次のような特徴を持つ。(1)景況に余り左右されず、需要が安定していて、技術や品質の向上に連れて消費支出が漸増する(2)国家予算は、福祉関連費として長期継続して増える、等。