厚生労働省はこのほど、男性の育児参加促進を目的とした「イクメンプロジェクト」の後継として、「共育(トモイク)プロジェクト」を始動した。背景には、イクメンプロジェクトを通じて育児休業取得率が令和5年度に30.1%まで上昇した一方で、育休後の家事・育児の分担が依然として偏り、長時間労働や「ワンオペ育児」が解消されていないという課題がある。
このため、新プロジェクトでは育児休業を単なる取得促進にとどめず、家事・育児分担の見直しの契機と位置づけ、「脱ワンオペ社会」の実現を目指す。プロジェクトの名称は「共育(トモイク)」とされ、推進体制としては羽生祥子氏を座長とする11名の専門家による推進委員会が発足し、企業、家庭、地域にわたる視点での提言と監修を行う。
主な取組内容としては、企業に向けた両親学級や育児支援セミナーの開催、若年層向けの意識啓発イベント、育休取得後の男性を対象としたオンラインセミナー、家事・育児タスクの可視化ツール提供、投稿型の情報共有サイトの運営などが予定されている。特に企業に対しては、制度導入だけでなく、職場文化として家事・育児参画が当然とされる風土醸成を促すことが求められている。
■参考:厚生労働省|「共育(トモイク)プロジェクト」開始のお知らせ|