経営判断への影響が顕在化 米国関税措置の影響調査

金融庁はこのほど、「米国の関税措置に伴う影響に係る調査結果(第2回)」を公表した。本調査は、米国による自動車関税等の追加関税措置に伴う我が国金融機関・企業に対する影響を把握し、必要な対応を検討する目的のもと実施されたもの。

調査対象には国内の主要金融機関および企業が含まれ、主に以下の現状と懸念事項が示された。〇金融機関の対応状況:金融庁は米国の追加関税措置を踏まえ、官民金融機関に対して貸付条件の見直しやリスク管理体制の強化、モニタリング強化などを要請。多くの金融機関が取引先企業の与信判断において関税影響を勘案し、貸出条件の柔軟化や信用調査の強化を進めていることが確認された。〇企業の影響評価:追加関税が取引価格や調達コストに与える影響は、業種・企業規模によって差があるものの、一定数の企業でコスト上昇や利益圧迫が認められた。

製造業を中心に、米国向け輸出品の関税負担が直接的に収益を圧迫するケースが報告されている。また、調査では、サプライチェーンの再構築や代替調達先の検討を進めている事例も多数あり、企業における経営判断への影響が顕在化している。関税影響の測定は依然難しく、将来の関税動向や消費者・経済心理の変化を織り込んだ予測モデルの整備が課題となっている。

■参考:金融庁|米国の関税措置に伴う影響に係る調査結果(第2回)|

https://www.fsa.go.jp/news/r6/sonota/20250613/20250613.html