中小企業の海外進出・輸出調査 消極化・事業の見直し進む

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商工中金がこのほど公表した「中小企業の海外進出・輸出に関する調査」によれば、中小企業の海外進出意欲は減退傾向にある。海外進出・海外事業を行っている企業の比率は8.9%で、2018年の前回調査(11.3%)から低下した。

また、今後進出の予定がないとする企業は77.2%と増加しており、海外展開に対する慎重姿勢が強まっている。海外進出の主な理由としては、「海外市場の拡大が期待できるため」が39.5%で最多となっている。一方で、「安い人件費等を活用したコストダウンのため」は19.0%と、前回調査の31.7%から大幅に低下しており、コスト削減目的の進出が減少している。

進出先としては、中国が依然として約半数を占めているが、その割合は低下傾向にある。代わって、ベトナムへの進出率が上昇しており、今後の進出予定先としても注目されている。海外事業の現状については、「順調」および「順調とはいえない」とする企業の比率が高まり、両極化の傾向が見える。また、今後3年程度の方針として、「拡大」や「現状維持」とする企業が減少し、「縮小」や「撤退」を検討する企業が増加している。中小企業の海外展開は慎重な姿勢が強まっており、進出先の多様化や事業の見直しが進んでいるようだ。

■参考:商工中金|「中小企業の海外進出・輸出に関する調査」の公表について(中小企業設備投資動向調査 2025年1月付帯調査)|

https://www.shokochukin.co.jp/assets/pdf/nr_250430_04.pdf