財務省の広報誌『ファイナンス』2025年3月号では、松本興産株式会社取締役・松本めぐみ氏による講演「田舎企業がIT人材ゼロからDX日本一へ~松本興産の取組と組織を動かすリーダーシップ~」を掲載。埼玉県小鹿野町に本社を置く松本興産が、IT人材ゼロの状態からDXを推進し、組織改革を成し遂げた以下4項目の実践的なプロセスが紹介されている。
(1)地方中小企業特有の課題:非効率な作業や部署間の連携不足、IT人材の不在、限られた予算、DXに対する抵抗感、業務の属人化という「六重苦」に直面。特に、過去に高額なシステム導入に失敗した経験がトラウマに(2)トップダウンによる改革の推進:全社員に性格診断を実施し、イノベーター理論に基づいて改革を推進するメンバーを選定、社員の特性を活かしたチーム編成が可能となり、組織改革の基盤が築かれた(3)属人化の解消と業務の可視化:業務の属人化を解消するため、業務フローやデータの流れを可視化。業務全体を把握し、改善点の明確化が可能になる(4)小さな成功体験の積み重ね:先行チームを特定の部署に編成し、小さな業務改善から取り組み始める。これにより、社員同士で成功体験を共有でき、徐々に改革への抵抗感を払拭していくことができた。
■参考:財務省|「ファイナンス」令和7年3月号「田舎企業がIT人材ゼロからDX日本一へ~松本興産の取組と組織を動かすリーダーシップ~」|
https://www.mof.go.jp/public_relations/finance/202503/202503o.pdf