美容室倒産、今年度は過去最多 「三重苦」で経営打撃

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美容室の淘汰が加速している。帝国データバンクが発表した「2024年度の美容室倒産の動向調査」結果によると、24年度(24年4月~25年3月)に発生した美容室の倒産(負債1000万円以上)は2月までに197件発生した。これまで最も多かった23年度の同期間(156件)に
比べて2割超の増加ペースで推移し、既に前年度累計(182件)を上回って過去最多を更新した。

この調査によると、来店客数は回復傾向にあるが、美容室の経営は、近時はスタイリストなどの「人手不足」に加え、シャンプーをはじめとした美容資材の値上げや水道光熱費、テナント料などの「コスト高」、新規開店が続いたことによる「同業者の競争激化」といった「三重苦」に直面している。こうした情勢を背景に、美容室の24年度業績(2月までの判明分)は約3割が赤字経営となったほか、前年度からの「減益」を含めた「業績悪化」の割合は6割を占めた。コロナ禍で業況が急激に悪化した20年度(73.4%)に次ぐ高水準を記録するなど、美容室の経営環境は厳しい状態が続いている。このため、帝国データは「今後は、価格戦略の見直しやデジタル技術の活用など差別化による競争力向上が求められる」と指摘している。

■参考:帝国データバンク|「美容室」の倒産動向(2024年度)|

https://www.tdb.co.jp/report/industry/20250304_beauty/