非正規社員への待遇格差判決 賞与・退職金と手当で判断割れ

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正社員とそれ以外の契約形態の社員との間における待遇格差。これまで放置されていた問題がクローズアップされている。

従来、契約社員だから、アルバイトだからといった理由で待遇格差を受け入れてきた非正規社員だが、不合理な待遇格差を禁じる同一労働同一賃金がはじまって以降、格差について争われるケースが増えている。

先日、賞与及び退職金の支給を巡る待遇格差について争っていた訴訟の最高裁判決が続いた。いずれのケースも非正規社員に対する賞与や退職金の不支給について不合理と認められるものに当たらないとした。賞与についての判決では職務内容を確認した上で、正社員との間に一定の相違があり、その職務内容を「相当に軽易だった」とした。非正規社員であっても正社員と同様もしくはそれにかなり近い業務内容と認められれば今回の判決とは異なる判断になる可能性がある。

一方、扶養手当等の不支給を巡る判決では格差は不合理とされ、非正規社員側の全面勝訴となった。今後、待遇格差については従来以上に労使間の大きな問題となるものと思われる。各社の個別事案によりどう判断されるかは異なるわけだが、いずれにしても合理的な説明ができない格差はなくす方向で検討すべきだろう。

■参考:最高裁判所|地位確認等請求事件(令和2年10月13日・第三小法廷)|

https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=89767