遺産分割の規定、見直しへ 住居除く―法制審部会が試案

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法務省の法制審議会民法(相続関係)部会が18日に第23回会議を開催、亡くなった人の遺産を分け合う遺産分割の規定を見直す試案をまとめたことが明らかになった。

報道によると、婚姻期間が20年以上のどちらかが死亡した場合、配偶者に贈与された住居は遺産分割の対象にしない。現行制度では住居も相続人で分け合う遺産になるため、住居を売却し、配偶者が住まいを失う場合も生じる。高齢化の進展でそうしたケースの増大が懸念されていた。亡くなった被相続人が遺言で「住居は遺産にしない」などの意思表示をしない限り、たとえ生前贈与していても、相続人は住居を含めて分け合わなければならない。

試案は、居住用の土地・建物を配偶者に贈与した際には、それ以外の遺産を相続人で分け合う、という内容。配偶者は住居を離れる必要がなくなるだけでなく、他の財産の配分が増えて生活が安定する。ただし、適用には▽夫婦の婚姻期間が20年以上▽配偶者に住居を生前贈与するか、遺言で贈与の意思を示す―の2つの条件が付く。婚姻期間が20年未満の夫婦や、意思表示がなく、被相続人が亡くなった場合は対象外。試案には、遺産分割の協議中でも、預貯金を葬儀費用や生活費用に充てる仮払いを認める制度の創設も盛り込んだ。